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更新日:2013年3月20日

平成18年度施政方針

施政方針

平成18年度施政方針と主要施策の概要

ページ下部より各PDFファイルをダウンロード・印刷できます)

施政方針[表紙(PDF:16KB)/本文(PDF:104KB)]

はじめに

平成18年第1回奄美市定例会の開会に臨み、市政運営に当たる所信の一端を申し上げ、市民の皆様並びに議員の皆様のご理解とご協力を賜りたいと存じます。

さて、去る3月20日、約2年の間、合併協議会や構成市町村議会のご協力、ご指導を賜りながら熱心な合併論議を経て新生「奄美市」がスタートいたしました。

このことは、奄美群島における近世の自治行政にとって、歴史的な出来事であり、担当した者として感無量の思いがいたしております。

また、私は、このたびの新生奄美市の市長選挙におきまして、市民の皆様の力強いご支援とご信任を得て、市政運営の任に当たらせていただくことになりました。その責務の重大さに、身の引き締まる思いをいたしております。これまでご尽力いただいた関係の皆様、そして何よりもご理解を賜った議会、市民の皆様に、改めて心から感謝と敬意を表したいと存じます。

黎明

申し述べるまでもなく、地方分権の波は、一層加速し、しかも地方の舵取りは、一層難しく、責任が重くなることは必至であります。

ご承知のとおり、合併により地域の諸課題がすべて解決する訳ではございません。その意味からも、新市に引き継がれた様々な分野にわたる事務事業の計画的な実施をはじめ、合併後段階的に調整する項目など、なお解決すべき多くの課題が山積しており、新生奄美市の道のりは、決して平坦ではなく、多くの峠を越えなければならないものと考えております。

未来ある子どもたちに、誇りが持て、大きな夢を与えるためにも、自らその課題に立ち向かい、誠心誠意、勇気を持って取り組みたいと強く思っているところです。

そのことが、合併に対しご尽力いただいた皆様をはじめ、新市の発展に大きな期待を寄せている市民の負託に応えることと考えているところです。

奄美市の限りない可能性を活かし、市民の力を結集しながら、奄美市の力強い第一歩を踏み出すべく諸課題に取り組む所存でありますので議員各位さらには市民の皆様の一層のご理解をお願い致す次第でございます。

変化と改革

平成17年の日本経済を省みますと、景気は全体として緩やかに回復しており、企業部門の好調さが雇用や所得環境の改善を通じて家計部門に波及しています。

しかし、政府の債務残高については依然として厳しい状況にあり、また、景気の回復状況は地方や業種等によってばらつきが見られ、失業率の地域格差は拡大する傾向にあることなど、決して手放しで喜べる状況ではありません。

このような状況の中、通常国会冒頭において、小泉総理は、改革の続行を掲げ、歳出・歳入を一体とした財政構造改革の方向を揺るぎないものとする旨表明されました。また、国は、今月策定予定の「骨太の方針2006」において、地方交付税の抜本的な見直し等、構造改革をさらに推し進めようとしております。これに併せるかのように、地方自治体の破綻を想定し、その法整備の検討を既に始める等、国は相当な覚悟を持って、地方の改革を推進しようとしております。

こうした中、私たちは、強い危機感を持って、中央から押し寄せてくる大きな波を受け止め、いかに強力な柱を立てるべきか、まさに行政、市民の結束とその力量が問われているところです。

特に、離島の自治体においては、その影響は一層大きく、如何にこの「変化と改革」に対応するか、効率的な自治体運営に向けて、その基礎体力を強化するための新たな自治システムの構築が求められています。

そのためには、当然のことではございますが、「入るを計って出るを制す」、私は、このことばを自治体経営の基本的な心構えとして、常に念頭におき、「等身大の地域自立」を目指した行財政改革に取り組む所存でございます。

知恵と創造

これからの時代は、「知恵と創造」による地域間競争の時代であると云われております。地域が持続的な成長・発展を目指すためには、地域に住む人々が自ら考え、自ら自立への行動を起こさなければなりません。そのためにも、真の地方自治は、住民の主体的な意思と責任に基づいて形成されるべきであるという認識のもと、市民の皆様の積極的な市政参画と住民一人ひとりが相和し力を尽くす「共生と協働の意識」を醸成する仕組みを構築する必要があると考えております。

そのためには、「共生と協働」の意識を広く喚起して地域の活力は地域自らが担う「地域力」を高めることが大切です。

今回の合併の大きな特徴は、個性あふれる農村集落が都市部を中心に衛星的に広がったことです。このことは、都市的な機能と農村部の多様性が融合することで、活性化に向けての様々な可能性と夢が広がることを意味します。特に、地域・集落には、それぞれに個性と誇れる宝・特産品が存在します。こうした宝を市民とともに発掘、再認識し地域ブランドとして複合的に活用する、そのことにより観光産業をはじめ奄美の新たなリーディング産業が育まれていくものと確信しています。

また、新たな夢と、望ましい「奄美市のかたち」の実現に向けては、これまで積み上げた事業の継続と活用、そして時代の変化に対応した新たな施策の展開が必要です。

そのために、生活基盤においては、個性的で魅力的な中核都市として交通、情報通信体系をはじめとした都市機能の充実、拡充と豊かな自然の恵みを生かした農村部の均衡ある発展が必要であります。また、産業振興においては、自然環境の保全と活用を図り、「スポーツアイランド」や「長寿」「癒し」のイメージを地域特性として定着、発展させるとともに、大島紬や黒糖焼酎など地場産業の一層の振興を図ることが必要であります。

一方、新たな施策の展開の一つは、先ほど申し上げた奄美の自然と文化、長寿と子宝、そして特産品など奄美の誇る宝の活用であります。

こうしたことから、選挙公約でも申し上げましたが、新市まちづくりの重要なキーワードは、地域の活力は地域自らが担う「地域力」と、地域の宝を活かす「地域ブランド」、さらに市民が共に「知恵と創造」を発揮する「市民との協働」の3つの要素であると考えております。

輝く奄美市へ/ともに創るシマ

今、「変化と改革」という大きな流れの中にあって、奄美市が歴史的な新たな1ページを開くためには、これら3要素をいかに有効に活かしながら自らの「知恵と創造」で新しいキャンバスに描いていくかが重要なステップであり、新生奄美市の力強い第一歩につながるものと確信しております。

私は、そのことを基本理念にしながら、伝統を尊び、常に前進をモットーに誇りある豊かで輝くシ奄美マ市を、そして共に創るまちシマを築いて参りたいと考えております。

こうした事を踏まえ、私は、市町村建設計画で位置づけられた「奄美市のかたち」、すなわち将来像である「自然・ひと・文化が共につくるきょらのしま郷」の実現に向け全力で取り組んでまいる所存です。

以上の基本姿勢をもとに、平成18年度において、次のような重点施策を展開してまいります。

第1点目は、「健康で長寿を謳歌するまちづくり」の実現についてであります。

先ず、市民に密接に関わる保健・医療・福祉分野につきましては、合併に伴う行政区域拡大への対応と平等なサービス提供を図るため、各総合支所間の連携を強化し、窓口サービスなど実施体制の一元化に努めることが、何よりも大切です。

そのためには、合併協議の結果、旧地域の制度として実施することとなっております各事業に配慮し、住民の一体化の醸成と制度の周知に努めてまいります。

(1)保健・医療の充実

市民の健康づくりについては、子どもから高齢者まで全市民を対象とした各種保健事業を疾病予防の観点から積極的に推進するとともに、福祉、医療、就労、育児、文化活動等の環境を整備することにより、すべての住民が安心して暮らせるまちづくりを進めます。また、国民健康保険、老人保健、介護保険の適正な制度運用に努め、健全な財政運営を推進してまいります。

さらに、「あまみ長寿・子宝プロジェクト」と連携しながら地域の自然的特性や社会的環境等の要素と健康・長寿との関わりを研究、検証するための各種事業の導入を図ります。高齢者保健福祉計画と介護保険事業計画に基づき、介護サービスを含めた様々なサービスが「各地域」で包括的かつ継続的に利用できるシステムを確立するため地域包括支援センターを創設し、高齢者が生きがいを持ち、安心して暮らせる「予防重視型システム」への転換を図ります。

また、訪問看護を充実し、介護を受ける方々が、自宅においてできる限り自立した生活が出来るようなサポ-ト体制を確立します。

笠利及び住用診療所につきましては、顔の見えるきめ細かな医療の提供に努めます。

(2)福祉の充実

次に、福祉については、子どもたちが健やかに育ち、子育てに夢を持てる環境の整備を推進するとともに、長寿社会における高齢者福祉施策や今年4月に施行されました障害者自立支援制度の主旨に沿って各種支援事業の円滑な実施とその定着化に努めてまいります。

特に、児童福祉については、「次世代育成支援対策地域行動計画」に基づき、乳児保育・延長保育の充実や児童センター等の活用、放課後の児童の健全育成環境の整備に努めるとともに、地域子育て支援センターを積極的に活用する等、女性の就業機会の拡大等社会参画に対応してまいります。また、児童手当の支給対象年齢の延長(小学校修了)に伴う制度の周知徹底に努めてまいります。

また、高齢者の福祉ニーズに的確に対応していくため、「高齢者保健福祉計画」に基づき、保健・医療・福祉との連携を図りながら、地域で高齢者を相互に支えあう体制づくりを推進してまいります。併せて、地域包括支援センターとの連携を図り高齢者の介護予防等に努めるとともに、廃止補助事業の必要性を精査し、必要な措置を講じてまいります。また、高齢者の持つ能力や豊富な経験を地域に還元するため、シルバー人材センターや老人クラブなどの諸活動を通して、元気に活躍する高齢者団体等の支援に努めます。

障害者福祉については、「障害者自立支援法」が、早期に定着するようサービス体制の整備に努めるとともに、各種の在宅及び施設の福祉サ-ビスの充実や適切な支援等を行い、障害者の自立と社会参加の促進を図ります。また、制度の適用できない発達障害者(児)に対しましては、乳幼児から成人期までの各ライフステ-ジに対応した支援体制の整備を図るため、今年度から「発達障害者支援体制整備事業」を実施してまいります。さらに、「奄美市障害者福祉基本計画」を策定し、各施策の具体化に努めてまいります。

次に、深刻化する青少年問題等につきましては、これまで実施してきた取り組みの成果を踏まえ、引き続き多様化する社会環境を的確に捉えながら、不登校、いじめなど個々の問題の改善や児童虐待の未然防止、要保護児童の支援等に対応してまいります。
また、近年増加傾向にあるDV被害者の相談等、婦人保護事業につきましても関係機関と連携を図りながら対応してまいります。

第2点目は、「癒しの観光を核にした産業振興のまちづくり」の実現についてであります。

奄美の自然と文化、長寿と子宝、そして特産品などは、奄美の誇る宝です。そのために農村部と都市部との連携、さらには「癒し」のイメージと合わせた地域ブランドを複合的に活用し、新たな域内循環型産業を創出することが大切です。

(1)観光の振興

先ず、観光の振興については、豊かな自然、伝統文化、長寿、子宝等の固有の資源を活用した「癒しの観光」を核に通年型、周遊型、体験・滞在型観光の定着を目指します。特に、観光拠点施設である奄美パーク、蒲生崎観光公園、大浜海浜公園、内海バンガロー、マングローブパーク、あやまる園地等との連携を図りながら、周遊観光の充実強化と質の高い観光地の整備を進めてまいります。

また、本年12月に供用開始する「健康体験交流施設」を活用し、市民の健康増進と島外からの観光客の誘致やスポーツ合宿等の充実など、交流人口の拡大に努めてまいります。さらに、島唄や八月踊り等の文化を生かした各種イベントの充実や花粉症避粉地としてのPRに努めるとともに、奄美ミュージアム構想との連携を図りながら、多様化する観光客等のニーズに対応してまいります。

奄美市は、海の玄関名瀬港と空の玄関奄美空港を抱える、まさに奄美大島の玄関口となりました。このため、大型客船によるクルーズ観光の需要に対応した名瀬港3万トンバースの整備充実と奄美空港の充実を促進した観光の振興に努めます。

また、2009年7月22日には、十島村の悪石島を中心とした今世紀最大の天体ショー(皆既日食)が、奄美市を南限として観測できます。この皆既日食は、今世紀最長の観測時間であり、国内外から多数の観測ツアーなどの来島者が予想されることから、受け入れに向けた実施体制を構築します。

(2)農林水産業の振興

次に、農業・農村の振興については、笠利、住用、名瀬の各地域の特性を生かした、「1集落1品ブランド」の推進、農作物を原料にした派生産業など農工連携による新たな農業の展開や、農村集落の活性化を含めた総合的な施策を推進してまいります。

そのため、各総合支所に専門の担当を配置し、きめ細かな指導を行うとともに優れた担い手農家を育成、確保するための技術研修・営農指導及び経営指導に努めてまいります。また、「地産地消」を推進するため、名瀬中央青果市場や各地域の農林産物直売所・生活研究グループ等とも連携を図り、安心・安全な地場農産物の供給に努めてまいります。さらに、タンカンやパッションフルーツ、スモモ等亜熱帯性気候を生かした果樹園芸の振興と付加価値のある加工品の開発やPR活動を支援してまいります。特に、基幹作物であるサトウキビや畜産等を組み合わせた複合型農業経営を推進し、足腰の強い産地づくりを目指します。さらに、農地流動化の促進等経営施策の推進による認定農業者の育成、確保や環境保全型農業の推進に努めてまいります。

林業については、引き続き「あまみ木工の里づくり」事業による地域林業の振興と地場産業の育成に取り組み、奄美産材を活用する企業グループ等の活動を支援してまいります。

水産業振興については、「離島漁業再生支援交付金事業」や「地域水産物供給基盤整備事業」を実施し、漁場の確保や後継者育成、漁港の基盤整備を促進してまいります。

(3)商工業の振興

次に、商工業については、中小企業の育成と商工業者の経営安定を図るため、商工会、商工会議所を引き続き支援するとともに、奄美群島振興開発基金への出資金など、金融面からの支援も行ってまいります。

また、本場奄美大島紬については、「本場奄美大島紬」の産地名を「地域ブランド」として商標登録を行い、奄美産地の確立と本場奄美大島紬の商品の価値を高めるとともに、本場奄美大島紬履歴書システムなどITの活用を推進し、業界や関係団体との連携を図りながら宣伝・販売の促進に努めてまいります。

黒糖焼酎をはじめとする特産品の振興については、全国的な健康志向や焼酎ブームのなか自然食品として注目を浴びつつある奄美の特産品を安定して供給が図れるよう奄美大島観光物産協会とも連携しながら、物産展等を通じて販路の拡大を図ってまいります。

また、国の地域再生計画の活用については、地域提案型雇用創造促進事業(パッケージ事業)を引き続き支援し、IT関連の人材育成とさとうきび生産拡大による雇用の場の確保に努めます。さらに、黒糖焼酎粕(廃液)等の未利用資源の有効活用を図るため、産官学が連携した商品開発に向けた事業導入に取り組んでまいります。

中心市街地の活性化については、通り会連合会をはじめ、商工会議所等、関係団体とより一層連携を図り、イベント事業や共通商品券の発行など、商店街が取り組む活性化策を支援してまいります。

第3点目は、「自然に囲まれた快適なくらしのまちづくり」の実現についてであります。

(1)生活基盤の整備

奄美市は、自然と調和した快適な生活空間を創出し、奄美群島の中核都市としての機能拡充を図ることが必要です。

そのため、公共下水道、農業集落排水の整備につきましては、都市部においては公共下水道の整備を推進するとともに、農村部においては、特定環境保全公共下水道や農業集落排水の整備、合併処理浄化槽の設置等を推進します。

水道事業については、今年度から笠利西部地区簡易水道の統合事業を実施するなど、安全で安定した生活用水の供給を図ります。

また、住環境の改善、機能的な交通網の整備、防災面の強化を図るため、大熊及び末広・港土地区画整理事業、小俣線街路事業を継続実施してまいります。さらに、北部の拠点として地域の特性を生かした魅力あるまちづくりを進めるため、赤木名地区において、県道整備と併せ市民協働(赤木名まちづくり推進協議会)による「都市再生整備計画」を策定します。

公営住宅については、「住宅マスタープラン」に基づき、農村地区の定住促進と地域の活力を図るため名瀬西田地区に1棟6戸、笠利赤木名地区2棟8戸を建設し、さらに住用摺勝地区の定住化対策を推進します。

地籍調査事業については、事業の成果が登記に反映され登記制度の信頼性が向上することから境界紛争の未然防止や早期解決、土地取引の円滑化、また、公共事業等の計画策定、用地買収などの推進が図れるため今年度も引き続き事業を実施します。

(2)交通体系の整備

次に、道路交通体系については、旧市町村間を結ぶ交流軸を形成するための基幹道路の整備・改良を重点的に促進するとともに、拠点施設等をつなぐ機能的な道路交通網や快適な生活道路の整備を推進します。

今年度は、国道58号おがみ山ルートの早期実現を促進するとともに、名瀬地域では、市道山田線、浦上・屋万田線、真名津2号線、笠利地域では手花部・節田線、赤木名・土盛線、住用地域では市道山間・市線及び市道岸畑線と神屋石原線の改良事業を進めます。また、新たな通学路の安全確保等のために、市道伊津部勝・名瀬勝・小湊線の整備を行います。さらに、集落内道路及び身近な生活道路の改善を図るため、市全域での整備計画を策定し、計画的な実施に努めます。

海上交通については、知名瀬港及び山間港の整備を引き続き実施するとともに、赤木名港の機能強化を図るため手花部・前肥田間の臨港道路を整備します。また、名瀬港マリンタウン計画の整備を促進するため、国・県事業の積極的な導入を図り、定期航路や離島航路の維持・向上に努めます。さらに、航空路線については、航空運賃の改善と路線の充実に努めてまいります。

(3)自然環境の保全と活用

自然との共生については、奄美群島自然共生プランに基づき実施している重要生態系地域調査に積極的に参画し、世界自然遺産の登録実現に向けて取り組んでまいります。また、国定公園等におけるサンゴをはじめとした生態系を保護するなど、自然環境の保全と回復に努めます。

さらに、資源循環型社会の構築においては、外海離島というハンディを抱える地域として、適正な処理システムの構築を図り、ごみの減量とリサイクルの推進に努めます。特に、平成17年度から実施しています新聞・ダンボール等の新たなリサイクル資源の回収を強化するとともに、エコマネー(地域通貨)制度の広域化を図り、「市民との協働」による地域の活性化に取り組んでまいります。

近年、地球規模で代替エネルギーの確保と地球温暖化への対応が課題となっています。本市においても、これらに対応するため、省エネルギービジョンに基づいた資源の節約を推進します。

また、使用済自動車の取り組みについては、今年4月設立の奄美大島自動車リサイクル促進協議会を中心に海上輸送費補助金申請の一本化を図り、処理の円滑化に努めますとともに、不法投棄の取り締まり強化と不法投棄車輌の一掃に努めてまいります。

(4)安全な地域づくりの推進

今さら申しあげるまでもございませんが、「安全・安心」は市民生活の基盤であり、まちづくりの最重要課題であります。そのため、平常時の危機管理意識の徹底と有事の際の迅速な対応を図るため、総合的な体制を構築し、危機管理に取り組んでまいります。

また、台風など自然災害の被害を最小限に抑えるために、新たに合併特例債を活用した河川整備事業を創設し、今年度は5河川(前田川・坂元川・小湊山田川・俊良川・幸田川)の改修を行います。さらに、役勝川については、氾濫による災害の未然防止により流域の安全性を高めるため河川改修の早期完成を促進します。急傾斜地の崩壊対策につきましては、名瀬地域及び役勝地区で引き続き実施し、市民生活の安全と快適に暮らせる居住環境整備に努めてまいります。

さて、災害時に何よりも大切なのは、正確な情報の収集と迅速な伝達であります。

現在、名瀬、住用、笠利3地域ともに、異なる機材や設置年度、アナログ防災無線のため統一したデジタル通信システムへの移行が必要となっております。

そのため、既存システムの改善や地域FM放送との連携を図りながら、早急な防災対策に取り組んでまいります。特に、地域FM放送との連携システムの構築は、市販ラジオで奄美市の情報がリアルタイムで聞けることになり、災害防止や行政情報などで多彩な効果を発揮することが期待されます。また、消防通信施設の充実強化を図り、火災、救急業務体制の向上に努めてまいります。

消費生活の保護については、消費者の意識高揚を図るため、「出前講座」を実施するとともに、奄美法律相談センターによる無料法律相談、弁護士等と連携し、有効な問題解決を図れるよう指導・助言に努めます。

バス対策については、競合しております廃止路線代替バス運行の早期解消に向けた取り組みを進め、市民の安心した生活を維持するため引き続き生活路線の確保に努めます。

第4点目は、「地域の中で教え、学ぶ教育・文化のまちづくり」の実現についてであります。

(1)学校教育の充実

21世紀を担う子どもたちが身につけなければならないのは「豊かな人間性」「確かな学力」「たくましく生きるための健康・体力」を備えた「生きる力」であります。その「生きる力」を育むために学校・家庭・地域社会がそれぞれの役割を認識し、機能を高め連携を強めていくことが大変重要であります。

そのため、「共に生きる教育」のもと、児童生徒一人ひとりに確かな学力の定着と向上を図り、心のふれあう積極的な生徒指導及び食育の充実を推進し、調和のとれた児童生徒の育成に努めます。

これまで推進してきた地域に開かれた学校づくりや豊かな自然や郷土の教育的風土に根ざした体験活動、地域の人材を生かした学習など特色ある教育活動の支援を引き続き行ってまいります。

また、小規模校特別認可制度や不登校適応指導教室、生徒指導に係る諸事業を継続実施し、小規模校の活性化や児童生徒の健全育成にも積極的に取り組んでいきます。

さらに、姉妹都市でありますナカドウチェス市との交流につきましても、国際的な視野を持った子どもの育成を図るため、引き続き事業を推進してまいります。

また、住用地域の「長野県小川村との交流体験事業」、笠利地域の「群馬県みなかみ町との交流事業」を通して、青少年の体験交流事業を推進してまいります。

なお、合併に伴い統合された「奄美市ふるさと創世人材育成基金」の充実を図りながら、時代の潮流や地域の要請に対応できる人材育成に努めます。

教育施設の整備につきましては、佐仁小学校校舎整備事業や各小学校の付帯施設の整備を進めるなど、各学校の年次的な営繕工事、補修に努め、教育環境の整備を図ってまいります。また、就学困難な児童・生徒に対し必要な教育費の援助を行い、学校教育の振興を図ると共に、各小中学校に配備された教育用パソコンを活用した情報教育の充実を図ります。

(2)高等教育機関・研究機関の設置

次に、大島北高等学校の振興については、生徒数減少に伴う定員割れにより、県教育委員会の示す整理統合基準に該当し、学校存続が危惧されております。離島においては、高校存続は重要な課題であり、大島北部唯一の魅力ある高校として発展させていくためにも、旧笠利町の支援策を引き続き実施し、学校活性化に取り組んでまいります。

鹿児島大学大学院による奄美サテライト教室の開設を契機として、今年3月には、鹿児島大学と旧名瀬市による教育・文化や産業、福祉等の様々な分野について連携・協力し、相互の発展に寄与することを目的とした包括連携協定が締結されました。今後とも、奄美サテライト教室の支援や「南西諸島フィールド研究センター(仮称)」の整備に向けての基礎調査、さらには国が支援する地域再生計画やプロジェクト事業を導入し、鹿児島大学との連携のもと本市の活性化策を模索してまいります。

(3)生涯学習の推進

生涯学習については、生涯学習基本構想を踏まえ、市民一人ひとりが「一学習、一スポーツ、一ボランテイア」を目指し、家庭教育の充実と「奄美っ子育成プラン」を基にした青少年の健全育成に努め、人づくりの基盤整備に努めて参ります。

さらに、生涯学習センター(仮称)の構想を踏まえながら、県立図書館奄美分館や他の機関と連携を図り、「子ども読書活動推進計画」の推進や出前講座の拡充など、多様化する市民の学習ニーズへの対応を図ります。

(4)地域文化の保存・継承と振興

芸術文化につきましては、文化団体などとの連携のもと、地域の伝統文化の普及・拡大に努め、「市民文化祭」、「市美展」の開催など、市民のニーズを踏まえた文化活動を通して、文化の薫り高いまちづくりを推進します。また、赤木名グスクの発掘調査や小湊フワガネク遺跡群の発掘調査報告書の作成など、貴重な埋蔵文化財の保護・保存・活用に努めます。

(5)スポーツ・レクリエーション活動の振興

社会体育につきましては、市民の生涯スポーツを推進するとともに、住民の健康増進・体力向上と併せて、総合型地域スポーツクラブの設立を目指し、「健やかスポーツ100日運動」を推進します。

また、スポーツアイランド構想に基づく施策を展開し、スポーツ合宿の誘致・受入を3地域の施設を有効に活用し、推進して参ります。

さらに、奄美市合併の記念イベントの一環として、宝くじスポーツフェアープロ野球「名球会・OBクラブがやって来る」事業を推進します。

第5点目は、計画の実現についてであります。

(1)行財政改革の推進

先ず、冒頭でも申し上げましたが、これらの施策を実現するためには、行政改革や財政効率化をさらに積極的に進め、健全で持続可能な財政運営を目指すことが必要です。そのためには、何よりも「選択と集中」を理念とした重点的な配分・投資を行いながら、効率的・効果的な行財政の運営と財政基盤の強化を図らなければなりません。

新生奄美市は、合併を機に、財政規模、職員規模において県内でも大変大きな行政組織となりました。このことが、今後の市政運営に大きな影響を与えることは云うまでもありません。

そのため、新市においては、地方分権の進展や国の改革に対応して大胆な改革を断行し、小回りのきいた質の高い行政サービスを実現することが重要な課題です。

また、奄美市の公共施設の管理運営については、行政と民間の役割を明確にし、民間におけるビジネスチャンスの拡大と行政コストの縮減を目指した指定管理者制度の導入を検討する必要があります。

したがいまして、奄美市として行政運営の指針となる「奄美市行政改革大綱」の策定と大綱に基づいた具体的な実施計画の策定に努めます。

さらに、平成17年に総務省より示された「地方公共団体における行政改革の推進のための新たな指針」に基づき、「事務・事業の再編・整理」、「民間委託等の推進」、「定員管理の適正化」、「手当の総点検をはじめとする給与の適正化」、「経費節減等の財政効果」の5項目に関して、集中改革プランを策定し公表してまいります。

また、合併によって生じた様々な課題と新市で調整するとした約400項目の調整事項については、市民サービスが低下することのないよう一日も早い調整方針を示し、奄美市の一体性の醸成に努めてまいります。

(2)住民参加の推進

次に、住民参加の推進についてですが、「共生と協働」のまちづくりに必要なことは、異なる価値観を個人や団体が、それぞれに認め合い、目標を共有し、共に力を合わせて活動することです。

そのため、福祉、環境保全、男女共同参画、さらには各地域や集落などの様々な分野において活動する個人、ボランティア、NPOの市民活動に対し、多様な結びつきと相互協力の関係が構築できる仕組みづくりに努めてまいります。今年度は、国の地域再生計画を導入し、NPOの活動を支援してまいります。

また、地域活動を支える「場」を提供し、地域力を高めるため、地域・集落における集会施設や拠点機能となる施設の充実強化に向けた整備計画を策定します。

さらに、「協働のまちづくり懇談会」の実施や町内会・自治会・集落活動を積極的に支援します。出前講座の実施については、住民の学習意欲に的確に応えられるようにオーダーメイド方式を取り入れ、市民の多様なニーズに対応します。

(3)地域情報化の推進

次に、地域情報化の推進については、本年度から「地域イントラネット事業」を導入し、市内の公共機関104箇所(小中学校、集会場等)を超高速回線で結び、行政情報の円滑な提供と住民票などの電子申請に対応するなど、光ケーブルを奄美市全域に提供できるようにします。

また、戸籍事務の効率化と謄抄本等の発行の迅速化を図り、市民サービスの向上に資するため戸籍電算化システムの導入に向けた取り組みに着手します。

(4)男女共同参画社会の実現

男女共同参画社会の実現に向けては、市民への男女平等意識の啓発、男女が共に活躍するための参画機会の拡大、支援体制の強化及び環境の整備を推進します。

今年度は、新市において男女共同参画プランの策定に向けた基礎資料となる住民意識調査を実施いたします。

ここまで、本市の主要施策を申し述べさせていただきました。続いて、これらの主要施策の推進にあたり編成いたしました、平成18年度予算案の概要について申し上げます。

行財政を取り巻く環境

政府は昨年12月に「平成18年度予算編成の基本方針」を閣議決定し、引き続き「改革なくして成長なし」の方針のもと、「2010年代初頭における基礎的財政収支の黒字化」及び「デフレの克服、民需主導の継続的経済成長」の実現を図るべく、「小さくて効率的な政府」の構築に向け、従来の歳出改革路線を堅持、強化するとしています。

そのため、三位一体の改革と、併せて総人件費改革、医療制度改革、特別会計改革、資産・債務改革、政策金融改革等の構造改革について、順次予算に反映させ、歳出全般にわたる徹底した見直しを行うとしております。

また、地方財政については、国庫補助負担金の交付金化への改革を進め、平成18年度までに4兆円を上回る廃止・縮減等の改革を行うとしております。さらに、平成18年度の地方財政計画は、対前年度0.7パーセントの減額、地方交付税については、対前年度5.9パーセントの減額、地方債計画では普通会計債ベースで、対前年度11.8パーセントという大幅な減額が示されたところです。特に、「臨時財政対策債」は、9.8パーセントの減額となっているほか、地方から最も要望の多い「辺地及び過疎対策事業債」は、対前年度1.9パーセントの減額、さらに、「合併特例事業債」も対前年度13.6パーセントの減額となっています。

このような財政を取り巻く厳しい現状を踏まえ、合併後初の平成18年度奄美市当初予算については、主要施策に掲げております5つの柱に重点を置き、緊急度の高い事業への効率的な配分を念頭に予算編成を行ったところであります。

平成18年度予算案について

なお、施策・事業の詳細につきましては、別途作成しました「平成18年度の主要施策・事業の概要」に掲載いたしておりますので、ご高覧いただきますようお願いいたします。

平成18年度当初予算総額については、一般会計及び特別会計、企業会計を合わせた合計は、518億4,100万2千円で、旧3市町村の17年度当初予算合計額に比べ、8.3%の増となっております。

議案第35号 一般会計予算案の総額では、314億1,988万8千円で、旧3市町村の17年度当初予算合計額に比べ、31億8,500万8千円の、約11.3パーセントの増となっております。

歳出予算案の主な内容については、奄美市合併まちづくり基金18億5,000万円、地域イントラネット整備事業約4億6,800万円、新たに旧住用村及び旧笠利町に係る児童扶養手当及び生活保護関係経費約5億300万円、制度改正に伴う児童手当関係経費に約7,700万円、地域包括支援センター関係経費に約1億1,100万円、地域ブランド確立推進事業費1,446万7千円などとなっております。

また、歳出の性質別で申し上げますと、義務的経費の人件費が54億4,816万8千円、旧3市町村合計額との対前年度比約3.9パーセントの減、扶助費が69億6,346万5千円、対前年度比約16.8パーセントの増、公債費が42億6,518万8千円、対前年度比約0.6パーセントの減となっております。

投資的経費は、総額で50億1,001万9千円、旧3市町村合計額の対前年度比約11.1パーセントの増となっております。

次に、議案第36号から第49号の各特別会計及び企業会計については、

奄美市国民健康保険事業特別会計 58億9,440万1千円

(旧3市町村合計額との対前年度比約12.4パーセントの増)

奄美市国民健康保険直営診療施設勘定特別会計 4億33万4千円

(旧2町村合計額との対前年度比約4.7パーセントの増)

奄美市老人保健医療特別会計 54億9,822万5千円

(旧3市町村合計額との対前年度比約2.5パーセントの増)

奄美市介護保険事業特別会計 42億3,283万2千円

(旧3市町村合計額との対前年度比約7.0パーセントの増)

奄美市訪問看護特別会計 2,686万6千円

(旧笠利町との対前年度比約7.2パーセントの増)

奄美市笠寿園特別会計 2億1,699万5千円

(旧笠利町との対前年度比約5.7パーセントの減)

奄美市公共下水道事業特別会計 18億5,989万2千円

(旧2市町合計額との対前年度比約3.6パーセントの減)

奄美市農業集落排水事業特別会計 6億2,153万7千円 

(旧3市町村合計額との対前年度比約42.5パーセントの増)

奄美市公共用地先行取得事業特別会計 3,998万円

(旧名瀬市との対前年度比約1.9パーセントの減)

奄美市ふるさと創生人材育成資金特別会計3,501万7千円

(旧名瀬市との対前年度比約41.8パーセントの増)

奄美市と畜場特別会計 604万9千円

(旧名瀬市との対前年度比約0.4パーセントの減)

奄美市交通災害共済特別会計 886万8千円

(旧名瀬市との対前年度比約26.5パーセントの増)

奄美市簡易水道事業特別会計 3億4,959万5千円

(旧2町村合計額との対前年度比約20.7パーセントの増)

奄美市水道事業会計 12億3,052万3千円

(旧名瀬市との対前年度比約22.9パーセントの減)

歳入・歳出同額の、合計 204億2,111万4千円

となっております。

むすび

以上、平成18年度の市政運営に関する私の基本姿勢並びに主要施策と予算編成の概要について所信を申し述べさせていただきました。

奄美市元年。国、地方、そして地域のあり方が大きく変わろうとしている今、改めて市政を担当する責任の重さをひしひしと感じております。次の時代を背負って立つ私たちの子や孫たちの世代が、奄美市の誕生を喜んでくれるよう、その基礎をしっかりと築いていかなければならないと考えます。

全国でも稀な飛び地合併であります。奄美群島、そして全国の自治体が注目をしており、この一年は、極めて重要な年となります。
こうした中で、行財政改革を進めながら地域活性化を図るという、難しい舵取りを迫られますが、誠心誠意、奄美市の発展のため邁進していく所存でございます。

「速やかならんを欲するなかれ、小利を見るなかれ。速やかならんを欲すればすなわち達せず、小利を見ればすなわち大事成らず」という孔子の言葉にもございます。
少し、時間がかかるかも知れませんが、今日、明日の利害よりも、五年後、十年後にきちんと花を咲かせるような、地味であっても明日の奄美市のために大事な種をまき育んでいかなければならないものと考えております。

今後とも、議員並びに市民の皆様、また関係する皆様のさらなるご理解とご協力をいただき、確かな「奄美市のかたち」を職員と共に一丸となって築いてまいる所存であります。

下記より施政方針及び主要施策の概要をPDFファイルにてダウンロードできます。

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