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更新日:2015年2月24日

平成27年度施政方針

ページ下部より各PDFファイルをダウンロード・印刷できます)

平成27年度施政方針と予算編成の概要

はじめに

平成27年第1回奄美市議会定例会が開会し、ここに平成27年度奄美市一般会計及び各特別会計予算案、並びに関連議案の提案を行い、市政運営に臨む所信の一端を申し述べ、市民の皆様及び議員各位のご理解とご支援を賜りたいと存じます。

さて、昨年を振り返りますと、復帰60周年の歓喜が残る中、さらに歴史に残る記念すべき出来事の多い年であったと思うところでございます。

中でも、県立大島高校の甲子園初出場の快挙。離島のハンディを乗り越え「夢は島でも叶う」。このことを島の子ども達が見事に実現してくれました。

さらに、島民、そして全国から集まった出身者の皆様方から成る大応援団。
甲子園のアルプススタンドを奄美一色に染め、強い団結力で受賞した最優秀応援団賞(日本一)。

日本中にさわやかな奄美の風を届けるとともに、奄美を想う強い絆に改めて深い感銘を受けたものでございました。

また、11月には、群島民の待ち望んでおりました全国離島初・九州初の「奄美ナンバー」も実現いたしました。

本市におきましても、平成22年の奄美豪雨災害を教訓に、防災機能を備えた住用・笠利総合支所の新庁舎も完成いたしました。

それぞれ地域における市民サービスの向上はもとより、地域住民の安全・安心の拠り所となり、3地域の均衡ある発展に大きく寄与していくものと思っております。

このように、昨年の様々な出来事は、奄美市の歴史に刻む“記憶にも記録にも残る1年”であったと思うところでございます。

新しい風が吹く

さて、平成26年4月には改正奄振法がスタートいたしました。

法律の延長・改正に際しましては、関係国会議員の大きなお力添えのもと、国・県・地元市町村が共に一体となって画期的な改正がなされました。

新たに「奄美群島振興交付金」が創設され、群島民悲願の「航路・航空路運賃の軽減制度」、「農林水産物輸送コストの支援制度」が実現いたしました。

中でも、航空路運賃につきましては、成田-奄美間のLCC(格安航空会社)バニラエアの就航、JAL・JACによる割引運賃の拡充。そのことによって、離島住民の運賃軽減はもとより、都市部からの観光客等を対象とした低価格運賃も実現いたしました。

航空路運賃の軽減により、観光客は著しく増加してきており、地元への経済波及効果と合わせ、奄美への注目度も非常に高まってきているものと感じております。

このように、昨年の奄振法の改正にあたりましては、より政治を身近に感じた年であったものと存じます。

追い風にのって(さらに飛躍する年に)

風は、今まさに奄美に吹いております。

奄振交付金の事業効果が表れつつある中、さらに平成27年度には、農業創出支援や世界自然遺産登録に向けた沖縄との観光連携・交流を盛り込んだ内容に拡充されることが示されました。

交付金の所要額を確保し、さらに有効活用していくことで、条件不利性の解消や交流人口の拡大がより一層期待できるものと考えております。

また、世界自然遺産登録に向けましては、引き続き国や県、さらには「奄美・琉球」圏域の連携・交流を強化し、登録実現という大願成就に前進してまいりたいと思っております。

このような中、国におきましては、将来にわたって活力ある日本を維持していくため、人口減少問題への対応と地方の活性化を促す「まち・ひと・しごと創生法」が制定されました。

まさに、地方創生戦略の新しい動きが始まるとともに、群島12市町村で策定した「奄美群島成長戦略ビジョン」と意をともにする制度であろうと認識いたしております。

本市におきましても、国の地方創生と連動し、地域の個性や魅力、そして自らの知恵を発揮する中長期の「地方人口ビジョン」と「地方版総合戦略」をしっかりと作り上げ、

「しごと」が「ひと」を呼び、「ひと」が「しごと」を呼び込む、その好循環を支える「まち」に活力を取り戻す。

このことを他町村とも連携を図りながら確実に実行してまいります。

その結果、先駆けとして策定した「成長戦略ビジョン」の実現に大きく寄与していくこととなり、ひいては奄美が地方創生の全国的なモデル地区にもなり得るものと思うところでございます。

奄美市市制施行10周年を迎え

とりわけ、平成27年度は「奄美市市制施行10周年」を迎えます。

飛び地合併という特異性の中で、合併10年を振り返るとともに、本市の羅針盤である総合計画も前期5カ年計画の最終年度を迎えます。

奄美市が誕生してからの10年、そして総合計画前期5カ年の取組をしっかりと検証し、後期5カ年計画に反映し実行していく。

このことが、名瀬・住用・笠利の3地域の特色を生かしたさらなる発展へとつながり、合併効果を一層醸し出していくものと思っております。

一昨年の12月、私は市民の皆様方から2期目の負託を賜りました。市長就任以来、「市政の主人公は市民である」と申し上げ、市民の皆様のご意見をお聞きしながら、地域の活性化に向け取り組んでまいりました。

引き続き、時代そして将来を見据え、市民や議会の皆様とともに奄美市を築き上げていくという基本理念のもと、私自身、奄美市のリーダーとしての責務をしっかりと受け止め、全身全霊務めてまいります。

以上の基本姿勢を踏まえ、平成27年度における重点施策についてご説明申し上げます。

第1点目は、「健康で長寿を謳歌するまちづくり」の実現についてであります。

全国的に少子高齢化が進展し、日本の人口の現状と将来の姿から、人口減少問題に関する国民の認識の共有が求められております。

本市におきましても、全国に比べ合計特殊出生率は高いものの、人口減少が続き、さらに加速することを懸念いたしております。

このようなことから、子どもからお年寄りまで、また障がいのある方々など、すべての市民が健康で安心して暮らせ、そして安心して子どもを産み育てられる環境づくりに取り組んでまいります。

(1)豊かな福祉社会の形成

児童福祉の向上と子育て支援につきましては、子ども・子育て会議のご意見等を踏まえ「子ども・子育て支援事業計画」を策定し、各種施策を推進してまいります。

その中で、子育てを地域で支える仕組みづくりや、子育てと就労の両立を支援する「ファミリーサポートセンター」の設置、延長保育や学童クラブ運営費の補助、乳幼児医療費の全額助成、さらにはひとり親家庭の医療費助成や就労支援など、引き続き安心して子育てできる環境の充実に取り組んでまいります。

障がい者福祉につきましては、「障害者福祉計画」に基づき、障がいのある方々の生活支援の充実に努めるとともに、平成27年度には聴覚障がい者への支援といたしまして「人工内耳体外機の電池代助成」を新たに行うことといたしております。

青少年や児童虐待・DVの問題につきましては、地域や学校及び関係機関等と連携し、諸問題の早期発見とともに、その解決に努めてまいります。

高齢者福祉につきましては、介護保険法の改正を踏まえ、平成27年度からは第6期の「高齢者保健福祉計画」と「介護保険事業計画」のスタートとなります。

そのため、平成26年度の計画策定における委員会の答申を踏まえ、第6期計画では保険料の改正等を行い、介護支援体制の充実や「地域包括ケアシステム」構築の推進とともに、介護保険制度の健全な運営に努めてまいります。

さらに、平成27年度は、70才以上の市民税非課税の高齢者を対象に、バス等の交通機関の利用状況を把握するため、交通費補助券を交付するニーズ調査(実証実験)を実施いたします。

生活保護行政につきましては、関係機関と連携しながら、保護受給者の自立支援と永住帰国の中国残留邦人の支援に努めるとともに、平成27年度から始まる「生活困窮者自立支援制度」への対応体制を整え、生活保護に至る前の段階での自立支援の強化に努めてまいります。

(2)保健・医療の充実

市民の健康づくりに関しましては、「健康あまみ21」の中間評価を行い、国や県の健康増進計画との整合性を図る9つの領域の新たな指標を定めました。

施策といたしましては、全ての市民を対象とした各種保健事業や、受診率向上と早期発見に向けた各種がん検診推進事業を引き続き実施し、健康増進と早世予防に努めてまいります。

また、平成27年度には、高齢者肺炎球菌予防接種について、費用の本人負担を軽減し接種率の向上に努めるとともに、感染予防に向けた「新型インフルエンザ等行動計画」を策定し、保健予防に取り組んでまいります。

さらに、不妊治療の旅費助成や未熟児の医療費助成等とともに、乳児家庭全戸訪問事業を導入するなど、妊娠中から出産・育児の切れ目のない支援に努めてまいります。

国民健康保険の運営につきましては、医療費の適正化に向け、特定健診の受診率向上をはじめとした疾病予防の推進、ジェネリック医薬品の利用推進、重複・頻回受診者の生活指導等に引き続き取り組んでまいります。

また、国保税につきましては、県が示す目標収納率を平成25年度に達成できたところではございますが、今後ともきめ細かな納税指導・相談を実施し、さらなる収納率の向上に努め、累積赤字の解消と国保財政の健全化を図ってまいります。

第2点目は、「観光立島を目指した多様な産業連携のまちづくり」の実現についてであります。

平成26年度にスタートした航路・航空路運賃軽減事業や農林水産物輸送コスト支援事業等により条件不利性の解消や交流人口の増加など、明るい兆しが見えつつあるところでございます。

引き続き「農業・観光/交流・情報」の奄振重点3分野を基軸とした産業の振興を図り、雇用の創出と交流人口の拡大を図ってまいります。

(1)農林水産業の振興

農業基盤の整備につきましては、引き続き畑地帯総合整備事業や農山漁村地域整備交付金事業等を実施するとともに、住用地区においては、県と連携し中山間地域総合整備事業による基盤整備を進めてまいります。

また、農地の有効活用を図るため、「人・農地プラン」に基づき、農地中間管理事業による農地の流動化を推進してまいります。

農業の担い手育成につきましては、(公益財団法人)奄美市農業研究センターの体制を充実し、新規就農者への研修に取り組むほか、青年就農給付金を活用した就農後の定着を図り、担い手農家や認定農業者の確保に努めてまいります。

さとうきびの振興につきましては、農地の集約や機械導入による省力化を推進するとともに、病害虫の防除対策や堆肥・肥料等の助成などを行い、単収アップと生産量の拡大を促進してまいります。

タンカンやカボチャなどの本市の重点振興作物につきましては、耕作放棄地の活用、鳥獣被害防止対策、防風対策を推進するとともに、各種研修会を通して、生産性の向上と組織の育成・強化に努めてまいります。

併せて、流通条件の不利性を軽減し、本土との競争力アップと販路拡大に向け、引き続き輸送コスト支援を行ってまいります。

畜産の振興につきましては、草地造成による飼料作物の増産や畜産基盤の整備とともに、巡回指導や研修会を通して防疫体制の徹底を図るなど、子牛の品質や生産性の向上に努めてまいります。

林業の振興につきましては、引き続き松くい虫被害の拡大防止に取り組み、生産基盤の整備と森林環境保全に努めてまいります。

水産業の振興につきましては、漁港等の基盤整備や維持管理の充実、漁業協同組合や漁業集落と連携した水産加工品の開発、さらに平成27年度には「漁業担い手育成支援制度」を創設し、水産業の振興に取り組んでまいります。

(2)商工業の振興

商工業の振興につきましては、奄美大島商工会議所、あまみ商工会、奄美群島振興開発基金などと連携し、商工業の活性化に努めるとともに、国の経済対策を活用して「プレミアム商品券発行事業」を拡充し、域内消費の喚起を図ってまいります。

また、名瀬中心商店街におきましては、空き店舗活用による家賃補助や新規出店のリフォームへの補助、また大型店舗の立地を促進する家賃補助等の支援を引き続き実施し、商店街への出店を促進してまいります。

さらに、平成27年度には「中心市街地活性化基本計画」を改定し、国の認定に向け取り組むとともに、賑わいのある中心市街地の形成を推進してまいります。

(3)地場産業の振興

本場奄美大島紬の振興につきましては、紬産業の再生に向け、中・長期の「大島紬再生事業計画」を策定し、紬業界と連携して計画的に諸施策を展開していくことにより、伝統技術の継承と業界の自立的発展に努めてまいります。

奄美黒糖焼酎の振興につきましては、地元消費の気運醸成に努めるとともに「奄美の夕べ」など各種イベント等を通して、黒糖焼酎の魅力を広く島外に発信してまいります。

特産品全般につきましても、「ぐーんと奄美」をはじめとした関係機関との連携を強化し、奄美のPRやマーケティング力の充実等により、海外も視野に入れた販路拡大に取り組んでまいります。

奄美ふるさと100人応援団や郷友会の連携強化に向けて「まーじんネットワーク構築事業」等の交流連携事業を実施し、奄美ファンの拡大に取り組んでまいります。

(4)観光の振興

観光の振興につきましては、引き続き航路・航空路運賃軽減やクルーズ船の寄港促進を図るほか、世界自然遺産登録に向けて沖縄との観光連携・交流を強化し、誘客の拡大を図ってまいります。

また、「スポーツアイランド構想」に基づくキャンプ・合宿の誘致活動に継続して取り組むとともに、「あまみシマ博覧会」やチャレンジスポーツ大会等の広域連携の取組を強化してまいります。

さらに、インターンシップ事業や大学との連携を行い、新たな観光客層の開拓につなげてまいります。

施設整備につきましては、奄美大島の観光拠点施設である大浜海浜公園を総合的に整備するほか、住用・笠利地域においても観光プロジェクトに沿って、地域資源を生かし、地域と一体となった着地型観光を推進してまいります。

受入体制につきましては、大型クルーズ船の寄港増加等による外国人観光客に対応するため、県や観光業界と連携した通訳ガイド育成に取り組むほか、平成27年度には、改正奄振法による特例通訳案内士育成事業を実施してまいります。

(5)情報産業の振興

情報通信産業の振興につきましては、引き続き人材育成事業を推進するとともに、情報通信産業の企業・仕事誘致の拡大を図り、地域の基幹産業への成長を促進してまいります。

平成27年度には、テレビジョン難視聴地域等の改善に向けた情報通信インフラ整備にも取り組んでまいります。

(6)雇用機会の拡大

雇用対策につきましては、トップセールス、国・県の緊急雇用創出事業、さらに市独自の地域雇用サポート事業等の実施により、企業・仕事誘致や雇用環境の改善が図られつつあります。

引き続き積極的なトップセールスに努め、県や東京事務所、並びに産業活性化推進員との連携を図り、雇用機会の拡大に取り組んでまいります。

(7)産業連携の推進

産業連携につきましては、農林水産資源、観光資源、地場産品、文化資源など奄美の恵まれた資源を活用した商品開発や6次産業化の取組を支援してまいります。

第3点目は、「自然に囲まれた快適なくらしのまちづくり」の実現についてであります。

快適で安全・安心な生活環境と、特色を生かした活力ある地域づくりのため、引き続き、防災対策、生活環境の向上、自然環境の保全に取り組み、人と自然が共生した市民が安心して暮らしやすいまちづくりに取り組んでまいります。

(1)生活基盤・環境の整備

水道事業につきましては、引き続き、平田浄水場の大規模改修、名瀬朝日地区や笠利西部地区の整備に取り組み、安全で安定した生活用水の供給に努めてまいります。

下水道事業につきましては、名瀬地区では「下水道長寿命化計画」に基づき、終末処理場の改築更新に取り組むとともに、笠利地区では大笠利地区と赤木名地区の整備を引き続き進めてまいります。

農業集落排水事業につきましては、名瀬芦良地区の処理場の更新、笠利佐仁地区の整備を推進するとともに、笠利用安地区の平成28年度の事業着手、加えて住用地域におきましては、東城地区、西仲間・石原地区での説明会を開催するなど、事業に対する合意形成に向け取り組んでまいります。

都市計画事業につきましては、「末広・港土地区画整理事業」、「名瀬港本港地区整備事業(マリンタウン地区)」の進捗のスピードアップを図るため、引き続き建設事業推進担当を配置し、着実な事業の執行に努めてまいります。

また「小宿土地区画整理事業」の導入につきましては、先ずは地域の皆様の合意形成が必要でございますので、引き続き説明会等を行いながら、地区の合意形成に努めてまいります。

公園事業につきましては、名瀬運動公園の整備を継続し、施設の機能性や利便性の向上を図り、市民やスポーツ合宿等の利用増進につなげてまいります。

市営住宅につきましては、「住宅マスタープラン」や「住宅等長寿命化計画」に基づき、外壁改修や水洗化などの整備を進めてまいります。

民間住宅に対しましても、市民のニーズの高い「住宅リフォーム等助成事業」の制度拡充と国の経済対策による事業規模の拡大を図るとともに、耐震診断や改修への助成を継続し、安全で快適な居住環境の整備に取り組んでまいります。

景観への取組につきましては、それぞれ地域の資源を生かした景観計画の策定に取り組み、市民が住みたい、観光客が訪れたいまちづくりを推進してまいります。

地籍調査事業につきましては、境界紛争の未然防止や土地取引の円滑化、さらには災害復旧への迅速な対応や公共事業の円滑な実施を図るため、3地域継続して事業を推進してまいります。

(2)交通体系の整備

道路整備につきましては、災害に強い道路網を形成するため、国道58号おがみ山ルートや根瀬部・国直間のトンネル整備促進に県や大和村と連携し取り組んでまいります。

また、市道につきましては、伊津部勝・名瀬勝・小湊線や手花部・打田原線等の改良事業に加えて、名瀬・住用・笠利3地域36路線の橋梁補修や道路舗装修繕に取り組んでまいります。

港湾整備につきましては、引き続き国・県と連携しながら、名瀬港整備を促進するとともに、近年増加する大型クルーズ船の受入充実に向け、官民一体となって取り組んでまいります。

離島航路や航空路につきましても、住民の利便性向上、交流人口の拡大、物流の効率化、運航経営への支援制度の充実に、国・県と連携し取り組むとともに、昨今の空港利用客の増加に対応するため、奄美空港の施設拡充整備の促進に努めてまいります。

地域公共交通につきましては、「廃止路線代替バス運行事業」を継続実施し、路線維持に努めてまいります。

(3)自然環境の保全と活用

世界自然遺産登録に向けましては、国立公園指定や平成28年度に予定の国際自然保護連合(IUCN)の視察を見据え、国や県並びに沖縄県等との連携を強化し、登録実現に向け、引き続き取り組んでまいります。

取組といたしましては、奄美大島5市町村で定めた「希少野生動植物の保護条例」の周知を図るとともに、野良猫の避妊事業(TNR事業)や飼い猫への避妊手術費用の助成等を行い、希少動植物の保護に努めてまいります。

さらに、島内5市町村にて「奄美大島生物多様性地域戦略」を策定し、奄美地域の生物多様性の保全に向けた総合的な取組を、関係機関と連携しながら推進してまいります。

生活環境につきましては、引き続き「ポイ捨て等防止条例」の周知徹底や海岸漂着物の回収作業に取り組むとともに、平成27年度にはごみの減量化や一般廃棄物の適正処理を推進する「一般廃棄物処理基本計画」の策定に取り組んでまいります。

また、墓地管理につきましては、引き続き市有永田墓地の使用者台帳整備を進め、無縁化対策や安全対策に取り組んでまいります。

(4)安全な地域づくりの推進

災害に強いまちづくりの推進には、情報伝達手段の確保が重要であります。引き続き防災行政無線デジタル化の整備や、地元FMとの協力体制の強化に取り組むなど、迅速かつ確実な情報伝達手段の確保に努めてまいります。

平成27年度には、市内小中学校に「緊急地震速報装置」を設置し、学校・地域が一体となった防災体制の整備に取り組みます。

防災体制の基本になる「地域防災計画」につきましては、災害対策基本法や県の地域防災計画などとの整合性を図り、計画の改定に取り組んでまいります。

併せて、名瀬測候所をはじめ関係機関との連携による防災訓練の実施や出前講座等を開催し、市民の防災意識の向上と自主防災組織の促進に努め、地域の防災力向上に努めてまいります。

また、国が計画している陸上自衛隊の配備につきましては、南西諸島における防衛上の意義や奄美地域における災害への迅速な対応など、地域の安全・安心の確保にもつながるものとして、引き続き国との協力・連携を図ってまいります。

防災対策事業につきましては、引き続き砂防事業等の土砂災害対策を促進するとともに、住用地区におきましては、住用川の改修事業と合わせ、西仲間・石原地区の内水対策に取り組み、総合的な防災・減災対策を推進してまいります。

消防体制につきましては、職員研修を充実し救急体制の強化を図るとともに、平成26年に開所した全国離島初の「救命救急センター」や、平成28年度導入目標の「ドクターヘリ」の活用等を見据え、関係機関との相互協力を強化し、救援や消防救急体制の充実に努めてまいります。

防犯対策につきましては、奄美大島防犯団体連絡協議会等と協力し、犯罪防止に努めるとともに、平成27年度からは自治会等が設置する街灯のLED化の支援を行い、安全な地域づくりを推進してまいります。

交通安全の取組につきましては、地域・学校・警察等の関係機関と連携し、交通安全の啓発を図るとともに、交通災害共済制度への加入促進に努めてまいります。

消費者行政につきましては、インターネットやスマートフォン等の普及によって多様化する悪質商法にも適切に対応できるよう、市民への啓発活動や相談体制等の充実・強化に努めてまいります。

第4点目は、「地域の中で教え、学ぶ教育・文化のまちづくり」の実現についてであります。

様々な課題に直面している教育環境の中、本市の教育理念である「共に生きる教育~奄美の子どもたちを光に~」のもと、新たに「子どもたちの情操育成事業」を通して、

(1)学校ごとに教児一体となった花の香り広がる学校づくり、

(2)市立少年少女合唱団活動による歌声響く地域づくり、

(3)シマグチを伝承する世代づくり

など、学校・地域・世代間が連携した教育行政を推進してまいります。

(1)学校教育の充実

「確かな学力」の定着・向上のために、教員の授業力の向上、特別支援教育支援員等によるきめ細かな指導、小学校5・6年生の35人以下学級の推進等とともに、特認校制度や小規模・複式校の教育の充実にも努めてまいります。

「豊かな心」を育むために、郷土を愛する心を育む「ふるさと学習」の充実を図るとともに、いじめや不登校の問題に適切に対応するため、スクールカウンセラー等の拡充やふれあい教室(適応指導教室)の活用などに取り組んでまいります。

また、平成27年度には、いじめ等の重大事態が発生した場合に迅速かつ適切に対処するため「奄美市いじめ問題調査委員会」を設置いたします。

「健やかな体」を育むために、「一校一運動」や「あまみっ子運動遊び・体育教室」を推進し、園児・児童・生徒の体力向上を図ってまいります。

また、奄美の食材を活かした食育の推進や保健安全指導の充実など、安心安全な学校づくりに努めてまいります。

これら知・徳・体の調和のとれた児童・生徒の育成と併せて、平成27年度から「土曜授業」を実施してまいります。

教育施設等の整備につきましては、平成27年度までの学校施設の耐震化完了に向け、引き続き耐震化事業に取り組むとともに、将来の学校の規模や給食体制を見据え、名瀬・住用地区給食センター整備計画を進めてまいります。

高等学校への取組といたしましては、引き続き「魅力ある学校づくり支援事業」を実施し、各学校の魅力づくりや情報発信に取り組むとともに、大島北高校については通学費補助を継続し、学校の活性化に向けた支援を行ってまいります。

また、島内での高等教育機関の確保や医療・福祉分野等の人材確保に向け、奄美看護福祉専門学校への支援を拡充するとともに、鹿児島大学や鹿児島女子短期大学並びに琉球大学等の研究活動と連携し、大学生の知識を活用した地域振興にも取り組んでまいります。

(2)生涯学習の推進

生涯学習につきましては、市民一人ひとりが生き生きと健康的で豊かに暮らしていくため、生涯を通して学習できる支援体制の確立に努めてまいります。

公民館活動につきましては、講座の充実や自主事業の展開、県立奄美図書館との連携、移動図書館車の市内巡回等を通して、多様化する生涯学習ニーズへ対応してまいります。

社会教育の推進につきましては、県立奄美少年自然の家や社会教育団体等と連携し、PTA活動や青少年教育の充実に努め、学校・家庭・地域の教育力の向上を図ってまいります。

(3)文化の振興

シマ(郷土)学の振興につきましては、先人の教えを学ぶ島唄半学やシマユムタの伝承を推進するとともに、島の歴史・自然・文化などの地域資源を活用した「奄美こども未来塾」などの体験学習を通して、子ども達の島への愛着・誇りの育成に努めてまいります。

奄美の歴史的・文化的資源を次世代へつないでいくために、文化財の保護や赤木名地区文化的景観の保存に取り組むとともに、「小湊フワガネク遺跡」の出土遺物の国指定に取り組んでまいります。

文化活動の振興につきましては、引き続き市美術展覧会等の文化事業を開催するとともに、平成27年度に鹿児島県において開催される「第30回国民文化祭・かごしま2015」の奄美での開催事業の成功に向け、関係機関と一丸となって取り組んでまいります。

(4)スポーツ・レクリエーション活動の振興

社会体育の振興につきましては、施設の充実を図るとともに、市民が広くスポーツに親しむ機会づくりを推進するため、各地区の体育協会と連携し、市民体育祭や各種スポーツ事業を実施してまいります。

併せて、スポーツ少年団競技別交歓大会、県民体育大会大島地区大会、並びに平成27年度に本市で開催予定の県民体育大会水泳競技につきまして、各種団体と協力・連携し、大会の円滑な運営に努めてまいります。

また、小・中学生のスポーツ競技力や文化活動の向上を図るため、引き続き全国大会等への大会出場助成事業を実施してまいります。

第5点目は、「魅力ある地域づくりに向けて」についてであります。

本市は、世界に誇れる豊かな自然や多様な文化などの多くの宝を有しております。その中でもお互いを支えあう「結の精神」が脈々と受け継がれていることは、何物にも代えがたい宝であります。

市民一人ひとりが主人公となり、市民と共に各種施策に取り組み、笑顔あふれる地域づくりを推進してまいります。

(1)市民協働の推進

市民と行政の協働につきましては、地域に根ざした行政協力員・嘱託員・駐在員とより一層連携を深めるとともに、「市長とむんばなし」などを通して、市民と直に語り合い、共に協力し合う協働のまちづくりを推進してまいります。

地域コミュニティの強化を図るため、引き続き地域を支える自治会等への支援を行うとともに、活力ある地域づくりの推進や合併10周年記念の市民提案事業の実施など「紡ぐきょらの郷(しま)づくり事業」を拡充し、市民の知恵と工夫を生かした取組を応援してまいります。

男女共同参画推進事業につきましては、男女一人ひとりの人権を尊重した豊かな社会づくりに向け、基本計画に基づく各種施策を推進してまいります。

(2)定住の促進

定住促進施策につきましては、引き続き定住促進住宅の整備に取り組むほか、奄美群島広域事務組合や他町村と連携した広域的な受入体制の充実・強化と情報発信に取り組んでまいります。

また、平成27年度には移住者への支援といたしまして、空き家バンクの設置、移住者の住宅購入、さらには移住者向けの空き家改修への助成制度を創設し、積極的な移住支援を推進してまいります。

(3)国際交流・地域間交流の推進

他地域との交流により見聞を広げることは非常に大切であり、「アメリカのナカドゥチェス市」・「長野県小川村」・「群馬県みなかみ町」との交流事業とともに、友好都市である「兵庫県西宮市」・「大阪府豊中市」などとの地域間交流を、引き続き推進してまいります。

(4)計画的・効率的な行財政運営

市民サービスの向上への取組といたしましては、市民と直に接し応対する職員に対しまして、各種研修を実施し、スキルアップや懇切丁寧な接遇の実践に取り組むとともに、人事評価制度の導入を推進し公務能率の向上等を図ってまいります。

平成27年度には、市民税や国保税及び住宅使用料などがコンビニエンスストアで24時間納付できるように「コンビニ収納制度」を創設するほか、10月に導入予定の社会保障・税番号システムいわゆる「マイナンバー制度」への対応も行ってまいります。

ふるさと納税につきましては、自宅などからインターネットを利用し寄附が行える「クレジットカード決済システム」を導入し、ご協力いただける方々への利便性向上に努めてまいります。

健全な財政運営につきましては、市税などの自主財源の確保を図り収納率向上対策を強化するとともに、歳出においては財政計画を考慮し、地域の活性化に向けた施策を計画的に推進し、財政規律の堅持に努めてまいります。

また、公有財産の管理といたしましては、財産情報をデータ化し、建物や土地等の管理情報を効率的に把握するため、「公有財産管理システム」の整備を進めてまいります。

職員の定数管理につきましては、「定員適正化計画」の見直し等を行いながら、引き続き適正化に向け取り組んでまいります。

指定管理者制度につきましては、指定管理者と連携し、管理状況などのモニタリングを行いながら、施設管理の充実と民間事業者等によるサービスの向上に努めてまいります。

市政運営にあたりましては、広報紙等を活用し広く市内外への情報発信を行うとともに、「市政モニター制度」などを活用し、市政へ市民の声を反映してまいります。

本庁舎整備につきましては、本庁舎建設基本構想策定委員会からの答申を踏まえた基本構想や基本計画に基づき、設計業務に取り組んでまいります。

平成27年度は、5年に1度の国勢調査が実施される年でございます。
各種施策を実施していく上での基礎となる重要な調査でありますので、市民の皆様のご理解とご協力をいただきながら、円滑・正確な調査の実施に努めてまいります。

(5)広域行政の推進

広域行政の推進につきましては、観光や物産、定住や世界自然遺産登録に向けた取組、さらには今般の地方創生への対応など、広域的な取組がさらに重要となっております。

今後とも、引き続き奄美群島広域事務組合や他町村とも連携しながら、「奄美群島成長戦略ビジョン」の実現に向け、各種施策を確実に推進してまいります。

平成27年度は「奄美市市制施行10周年」を迎えます。
多くの市民の皆様の参加のもと、記念式典や各種事業を開催し、合併10年を振り返るとともに、将来への希望にあふれ、市民一人ひとりが誇りを持ち、「奄美市で暮らしてよかった」、「これからも暮らし続けたい」と実感できるまちづくりを推進してまいります。

 

 

ここまで、本市の主要施策を申し述べさせていただきました。
続いて、これらの主要施策の推進にあたり編成いたしました、平成27年度予算案の概要について申し上げます。

平成27年度予算の基本的考え方

国は平成27年度予算編成の基本方針において、「強い経済は、日本の国力の源泉である。経済の好循環を確かなものとし、全国津々浦々にまで景気回復の実感を行き渡らせる。若者が将来に夢や希望を持つことができる、魅力あふれるまちづくり、ひとづくり、しごとづくりを進めることにより、元気で豊かな地方の創生に全力を挙げる」と示しております。

こうした国の動向を踏まえ、本市の平成27年度当初予算は、一般会計が普通建設事業費等の伸びにより、前年度当初と比較して4億5、079万8千円増加し、1.5%の増となったほか、引き続き「地域の活力特別枠」として、一般財源ベースで1億円余を確保し、地域経済の活性化、雇用と地域活力の創出に努める所存であります。

加えまして、平成26年度の国の緊急経済対策予算と連動した本市の平成26年度3月補正において2億3、548万6千円を計上し、本市一般会計予算を「15ヶ月予算」とした切れ目のない予算として実行することとしております。

一方、歳入においては、地方交付税の減額と併せて、自主財源である市税が減少し、公共事業の伸びに対応した市債が増加するなど、安定した財政基盤とは言い難いことから、今後とも引き続き、地域経済の活性化と財政の健全化の両課題に取り組み、中長期的に持続可能な財政構造を確立することが重要と考えております。

以下、平成27年度各会計の当初予算案について、概略を申し上げます。

議案第9号平成27年度奄美市一般会計予算は、普通建設事業及び出資金などが増額したこと等により、対前年度1.5%増の300億7、511万7千円であります。

議案第10号平成27年度奄美市国民健康保険事業特別会計予算は、共同事業拠出金等の増額により、対前年度10.3%増の72億1、652万3千円であります。

議案第11号平成27年度奄美市国民健康保険直営診療施設勘定特別会計予算は、診療収入の増額等により、対前年度2.7%増の2億5、346万5千円であります。

議案第12号平成27年度奄美市後期高齢者医療特別会計予算は、広域連合納付金の減額等により、前年度並みの4億2、377万円であります。

議案第13号平成27年度奄美市介護保険事業特別会計予算は、居宅介護サービス給付費等の増加により、対前年度2.9%増の48億7、965万8千円であります。

議案第14号平成27年度奄美市訪問看護特別会計予算は、訪問看護収入の増額等により、対前年度11.6%増の3、877万4千円であります。

議案第15号平成27年度奄美市公共下水道事業特別会計予算は、建設費の増額等により、対前年度1.7%増の20億4、319万9千円であります。

議案第16号平成27年度奄美市農業集落排水事業特別会計予算は、事業費の増額等により、対前年度9.2%増の3億3、276万円であります。

議案第17号平成27年度奄美市ふるさと創生人材育成資金特別会計予算は、奨学生貸付金の増額により、対前年度2.1%増の2、689万1千円であります。

議案第18号平成27年度奄美市と畜場特別会計予算は、施設の維持管理費の増額等により、対前年度7.3%増の920万9千円であります。

議案第19号平成27年度奄美市交通災害共済特別会計予算は、事業費の増額により対前年度29.2%増の709万9千円であります。

議案第20号平成27年度奄美市水道事業会計予算は、建設改良費の増額等により、収益的収入と資本的支出の合計額は対前年度22.8%増の25億4、790万2千円であります。

以上、一般会計、特別会計及び企業会計予算を合わせた予算総額は、478億5、436万7千円となり、対前年度3.7%の増であります。

むすびに

以上、平成27年度の市政運営における基本姿勢及び予算編成を申し述べさせていただきました。

日本全国において「地方創生」の動きも本格的に始まり、地方の持つそれぞれの「地域力」の発揮が非常に重要になってまいります。

今年は「羊(ひつじ)年(とし)(未年)」。一般的に「羊は群れをなし家族の安泰を表す」とも言われております。

私自身、これまでも第一に「和」を重んじてまいりました。

このことから、羊年の今年は「チームワーク」・「絆」など、市民の「和」を一層高める、まさに合併10周年の節目にふさわしい年になるものと思うところでございます。

これからも、先ずは組織としての「チームワーク」を大切にし、そして職員一人一人が自覚を持ち、一致団結して取り組んでまいりますれば、奄美市としてさらに飛躍していく礎の年になるものと確信いたしております。

そのためにも、市民や議会の皆様、そして職員とともに強い「絆」のもと、奄美に吹く風をしっかりと捉え、次の時代を見据えた奄美市の発展に精一杯努力していくことをお誓い申し上げ、平成27年度の施政方針とさせていただきます。

 施政方針及び主要施策の概要(PDFファイル)

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