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更新日:2023年2月20日

令和5年度施政方針

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令和5度施政方針と予算編成の概要

はじめに

それでは、令和5年第1回奄美市議会定例会が開会し、ここに一般会計及び各特別会計予算案、並びに関連議案のご審議をお願いするにあたり、市政運営に臨む所信の一端を申し述べ、市民と議員の皆様のご理解とご支援を賜りたいと存じます。

初登庁を迎えた日から本日までを振り返りますと、まさに激動の1年であったと感じております。

この1年間における、マニフェストの進捗状況などを市民の皆様にもお知らせいたしましたが、職員とともに、「挑戦」という種をまきながら、大きな花が開くよう、引き続き、政策実現に努めてまいる所存です。

新型コロナウイルス感染症対策

新型コロナの拡大から3年を迎え、国は本年5月8日から新型コロナを5類感染症とすることを決定しております。

本市及び奄美大島における3年間、数次にわたる感染の波に直面してまいりましたが、その都度、市民の皆様お一人おひとりのご協力、並びに医療・介護・福祉などに従事する皆様の献身的なご尽力をいただき、いずれの難局にも立ち向かってまいりました。

これからは、いわゆるアフターコロナといわれる段階に移行することになりますが、「新しい生活様式」に対応した感染症対策の日常化に向けた取組や、コロナ禍にあって資金繰りなどに苦慮した事業者に対する利子補給支援を継続してまいります。

また、コロナ禍では、市民の心の拠り所となっていた伝統行事の中止も余儀なくされておりましたが、今年こそは、豊年祭や八月踊りなどの集落行事が復活できるものと期待しております。

併せて、これまで中止してきた市主催行事につきましても、新型コロナの経験を踏まえた在り方を検討してまいります。

他方、ロシアのウクライナ侵攻に端を発した世界的な原油価格・物価高騰の波は、本市の市民生活、社会経済活動にも多大な影響を及ぼし、現在でも収まる気配を見せません。

そのため、1月の臨時議会でご承認いただきました市民生活支援などの事業を推進するほか、新年度においても、コロナ禍からの経済回復及び物価高騰対策などにとって必要な事業については、本市の経済情勢などを注視し、迅速かつ果断に取組んでまいります。

奄美市発展の新たな地平を切り拓く

様々な困難にも直面した一方、昨年も、大島高校野球部の春の選抜甲子園出場を皮切りに、夏には大島北高校カヌー部や奄美高校女子ビーチバレーボールペアの全国大会出場など、若い世代の挑戦と躍動に、多くの勇気と希望をいただきました。

また、世界自然遺産登録は、本市をはじめ、奄美群島全体のブランド力を向上させる力を持ち、今後の経済回復にとって大きな推進力となります
アフターコロナにおける本市発展の道筋を作り上げていくためには、世界自然遺産の登録や新型コロナとの対峙など、歴史的な時代に生きる私たちが、新たな地平を切り拓く、挑戦とその気概が必要であると存じます。

そのため、これまで本市が築き上げてきた基礎の上に、新しい時代の概念や考えも盛り込み、本市の将来にわたる政策の方向性を示すべく、新たな最上位計画を、新年度には市民の皆様とともにつくりあげてまいります。

「語り継ぐ」~次世代へ~

令和5年は、奄美群島が日本に復帰して70年という大きな節目の一年となります。本市におきましても、10月のかごしま国体相撲競技会や11月の奄美群島日本復帰70周年記念式典、12月にはNHK「新・BS日本のうた」などが予定されております。

さらに8月には、全国から20を越える島の中学生が一堂に会し、野球をとおして交流を行う「全国離島交流中学生野球大会(通称:離島甲子園)」の5市町村合同開催も予定いたしております。

この全てを成功裡に開催できるよう、関係機関との連携のもと、全庁体制で取組んでまいります。

加えて、「紡ぐきょらの郷(しま)づくり事業」を拡充するなど、市民の皆様とともに、この慶賀の一年を盛り上げるべく「「語り継ぐ」~次世代へ~」をメインコンセプトに、様々な復帰関連イベントなどを開催してまいります。

奄美群島の将来デザイン実現に向けて

奄美市フォトライブラリーで提供している、復帰当時の情景を見るにつけ、現在のまちの形との違いに驚かされます。改めて、現在に至る復興・発展の力強さを感じ、同時に先人たちのご労苦に対する感謝の念が堪えません。

その復興・発展に大きな役割を果たしてきた奄美群島振興開発特別措置法が、法期限を迎えます。

復興から振興、開発中心の時代を経てきた奄振は、現在、ひとづくりを中心とする奄美群島の将来デザインを実現させるものとして、市民の皆様にとってもより身近であると考えております。

私は市長として、また奄美群島広域事務組合の管理者として、市議会、市民の皆様はもとより、関係国会議員や国、県、奄美群島12市町村、全ての関係者と一丸になって、奄振法の延長・拡充の実現に断固取組んでまいります。

令和5年度予算の基本的な考え方

続きまして、令和5年度の当初予算について申し上げます。

国におきましては、現在の経済を取り巻く厳しい環境の中、足元の物価高を克服しつつ、民需主導で持続可能な成長経路に乗せていくことを目指し、また、経済財政運営にあたっては、経済あっての財政という方針のもと、経済再生と財政健全化の両立に向けて取組むとの方針を示しております。

その中で、令和5年度の地方財政対策としましては、地方税などの増収を見込み、交付税などの地方の一般財源総額は、前年度を上回る額が示されております。

本市におきましては、歳入面では、近年は市税や地方交付税が増加傾向にあるものの、歳出面では、福祉に要する扶助費や起債の償還に要する公債費など、義務的経費の増加が見込まれる中において、新型コロナなどへの対応、各種施設の維持管理や改修、さらには新たな施設整備への投資など、今後も厳しい財政状況が続くものと予想しております。

しかしながら、このような状況下にありましても、住民福祉の向上へのより良いサービスの提供と地域経済に寄与する公共投資は、行政の大きな役割であり、切れ目なく実施していく必要があります。

これらのことを踏まえ、令和5年度の予算編成にあたりましては、財政の健全化を念頭に、事業のスクラップ&ビルド、民間活力の積極的な導入などを進めながら、限られた財源の効率的・効果的な活用に努めたところでございます。

新年度に向け編成いたしました令和5年度の当初予算案は、
一般会計 311億3、340万 5千円
特別会計 122億  805万 7千円
企業会計  53億9、796万 4千円  となり、

市全体の予算案は、487億3、942万 6千円 であります。

これより、新年度における重点施策についてご説明を申し上げます。

第1点目は、「健康で長寿を謳歌するまちづくり」の実現についてであります。

本市におきましては、子どもからお年寄りまで、障がいのある方もない方も、すべての市民の皆様が健康で安心して暮らすことができる、「地域共生社会」の実現に取組んでまいります。

令和4年度から取組んでいる「つながる相談体制」構築に向けた第二ステップとして、「つながる相談室」を新設し、生活困窮者対策や消費生活相談業務も集約することで、より市民の皆様が相談しやすい体制づくりを進めます。

また、「こども未来課」を新設し、国において議論が進む子育て支援策の拡充への対応力を確保するとともに、社会福祉及び障がい者福祉部門における専門性を向上させる組織編成に取組みます。

(1)豊かな福祉社会の形成

子ども・家庭問題への対応につきましては、「子ども家庭総合支援拠点」のもとできめ細かな相談体制の強化に努めるとともに、新たに子どもの貧困についても実態調査を行い、支援体制についての検討を行ってまいります。

高齢者福祉につきましては、健康に年を重ねられる地域づくりに向けて、2025年問題とされる後期高齢者の急激な増加を見据え、令和6年度から始まる「第9期高齢者保健福祉計画」及び「介護保険事業計画」の策定を進めてまいります。

生活保護及び永住帰国の中国残留邦人の支援につきましても、引き続き取組んでまいります。

(2)保健・医療の充実

妊娠・出産・子育てへの支援につきましては、すべてのご家庭が、安心して子どもを産み育てることができるよう、切れ目ない支援の充実を図ります。

特に、不妊治療につきましては、国の統計によりますと不妊を心配したことがある夫婦は、全体の2.9組に1組、実際に不妊の検査や治療を受けたことがある夫婦は約5.5組に1組であることが示されており、令和4年4月より保険適用になったことで、本市におきましても治療に取組むご夫婦が増加傾向にあります。

「子どもを授かりたい」と願う方々の思いを応援する環境が求められているものと存じます。

そこで、本市独自の取組として、さらに前向きに不妊治療に取組むことができるよう、新たに「未来応援はぐくみプロジェクト」を立ち上げ、ご夫婦の“子どもを授かりたい”という思いに寄り添った支援を強化してまいります。

まず、不妊への不安がある場合、早期に不妊検査の受診へと繋げるため、検査費用の助成制度を創設いたします。

さらに、これまで女性の不妊治療が対象となっておりました治療費及び旅費への助成制度について、男性不妊治療まで対象を拡充するほか、不妊治療への相談体制の充実など、支援を広げてまいります。

妊娠期から出産・子育ての支援につきましては、一貫して相談に応じ、必要な支援につなげる伴走型相談支援のほか、「出産・子育て応援交付金」による出産・育児の負担軽減に取組んでまいります。

各種健診・保健事業の推進につきましては、新年度の乳がん検診から、希望する方は毎年受診できるよう拡充するとともに、3歳児健診において新たに検査機器を導入し、弱視など子どもの目の異常の早期発見に努めてまいります。

自殺対策につきましては、関係機関と連携のもと、第2次計画を策定いたします。

国民健康保険事業につきましては、国保税収納率及び特定健診受診率の向上に努め、引き続き安定した運営に取組んでまいります。

第2点目は、「観光立島を目指した多様な産業連携のまちづくり」の実現についてであります。

世界自然遺産登録による観光立島の実現及び各産業への波及効果の創出に向けて、観光、物産及び情報通信を柱として経済や産業の成長・発展に取組み、地域内総生産額及び域内経済循環を高め、かせぐ地域づくりに努めてまいります。

(1)農林水産業の振興

次世代を担う農業者の育成・確保につきましては、農業研修事業の実施や新規就農者に対する支援などに取組んでまいります。

さとうきび、畜産、園芸作物の振興につきましては、たい肥の生産・供給、輸送コスト支援に取組むとともに、営農用ハウスの整備を支援することにより、「かせげる農業」の実現に向けた生産力向上を推進してまいります。

また、農業基盤の整備推進に加え、「農地中間管理事業」を活用した農地利用の最適化を図るため、「人・農地プラン」の実質化を踏まえた地域計画を新年度より作成してまいります。

加えて、農業経営研修などの拠点として、また生涯学習や地域行事の中核的役割を担っている笠利農村環境改善センターの大規模改修を実施いたします。

林業の振興につきましては、山林荒廃地や林道の整備による森林環境の保全と地場産材の活用に努めてまいります。

水産業の振興につきましては、「かせげる漁業」の実現に向けて、後継者の育成、販路拡大の支援に加え、「漁業経営安定化支援事業」により、経営の安定化に向けた支援を行ってまいります。

(2)商工業の振興

中小企業・小規模事業所の振興のため、経済団体や金融機関などと連携して支援に取組むとともに、新たに「繁盛店づくり支援事業」を創設し、市内全域を対象エリアに、魅力ある店舗づくりに取組む事業者をハード・ソフト両面から支援してまいります。

また、新たに、イベントや空き店舗利用などの多様なアイディアを形にする「賑わうまちづくり支援事業」を実施し、中心市街地の元気づくりに官民一体となって取組んでまいります。

(3)地場産業の振興

地場産業の振興につきましては、ふるさと納税の機会を活用し、返礼品のさらなる充実を推進することにより、事業者の販路拡大及び所得向上に繋げてまいります。

また、積極的なトップセールスによる特産品の情報発信と、全国の郷友会や関係人口の皆様との連携強化を図るとともに、特に、本市特産品を代表する本場奄美大島紬や奄美黒糖焼酎について、国内外の販路拡大に引き続き取組んでまいります。

(4)観光の振興

観光の振興につきましては、新年度はコロナ禍からの脱却により観光需要が例年になく高まることが期待されるほか、本市においては日本復帰70周年の節目として、多くの全国規模のイベント開催に伴い、人の流れが活発になることが見込まれます。

そのため、奄美大島一体となった施策に取組むとともに、世界自然遺産の価値を活かした着地型観光メニューの磨き上げのほか、ワーケーションなど新たな旅行ニーズへの対応など、かせげる観光地づくりを推進いたします。

(5)情報産業の振興/雇用機会の拡大/産業連携の推進

デジタル化が加速する時代の経済社会を構築するため、ICT人材の誘致・確保・育成に取組んでまいります。

そのため、Work Style Labなどを拠点に、情報通信技術の習得や地域企業のDXの取組を支援するほか、起業を目指す人材の育成を推進し、かせぐ地域づくりを進めてまいります。

働き手の確保対策につきましては、特に人材不足が顕著である業種を対象に、新たに即戦力確保を基軸とした「人材確保・就職支援事業」を創設いたします。

また、市内事業者による共同運営形式で雇用を行う「特定地域づくり事業協同組合」の設立と安定した運営を支援してまいります。

第3点目は、「自然に囲まれた快適なくらしのまちづくり」の実現についてであります。

世界の宝として認められた豊かな自然環境を守ること。その自然と人が共生をしていくこと。市民にとって安心で快適な暮らしを支える生活空間を創出すること。これらの課題に対応し、世界自然遺産の島としてふさわしい、持続可能なまちづくりに取組んでまいります。

(1)生活基盤・環境の整備

上下水道事業につきましては、新年度に笠利地区東部浄水場の供用開始や、下水道事業において発生するバイオマス資源の活用などにより、より良い生活環境の実現と、企業会計としての持続的な経営安定に努めてまいります。

良好な生活空間創出のためのまちづくりにつきましては、「末広・港土地区画整理事業」を推進するとともに、「平田土地区画整理事業」の完了に向けた取組を進めてまいります。

また、新たに「都市公園照明灯更新事業」によりLED化を推進し、良好な都市環境の整備を図ります。

さらに、名瀬港マリンタウン地区において、引き続き土地分譲と民間活力による土地利用を進め、“みなとまち名瀬”にふさわしい、賑わいのある市街地の形成に努めてまいります。

住宅政策につきましては、「住生活基本計画」及び「公営住宅等長寿命化計画」に基づき、市営住宅の適切な管理に努めるとともに、将来的な市営住宅の在り方についての研究を進めてまいります。

併せて、空き家対策につきましては、賃貸住宅としての利用や売買の促進など、不動産市場への流通を促すとともに、緊急性の高い危険空き家の除却(じょきゃく)の促進、啓発などによる発生抑制に取組んでまいります。

地域における生活環境の美化に向けた行動を促す仕組みとして、引き続き「資源物循環活動助成事業」を実施し、自治会によるリサイクル活動を支援してまいります。

また、海岸に漂着するゴミ対策につきましては、引き続き「海岸漂着物地域対策推進事業」などを活用し、海岸の美化・保全に取組んでまいります。

令和6年度の供用開始に向けて整備を進める新たな食肉処理施設につきましては、完成後の円滑な施設運営に向けて、関係者との連携による体制構築にも努めてまいります。

(2)交通体系の整備

道路整備につきましては、県と協力し、国道58号おがみ山バイパスの円滑な事業促進を図るとともに、三儀山線、手花部・節田線などの市道改良事業や、橋梁(きょうりょう)の安全点検及び補修を進めてまいります。

航路・航空路につきましては、運賃軽減制度の維持及び路線の安定化などに、引続き関係機関と連携して取組んでまいります。

地域公共交通につきましては、生活路線の維持・確保に努めるとともに、持続可能な交通体系の構築に向けて、交通事業者と連携を図ってまいります。

(3)自然環境の保全と活用

貴重な自然環境の保全のため、引き続き奄美大島5市町村で策定した「奄美大島生物多様性地域戦略」に基づく取組を推進いたします。

また、本市における地球温暖化防止対策や脱炭素施策の方向性を示すため、「奄美市地球温暖化防止活動実行計画」の事務事業編改訂とあわせて、新たに区域施策編の策定を行います。

令和4年度に各界各層の関係者が参加して開催してきました「世界自然遺産活用プラットフォーム」において提案された中から、本市における事業の具体化として、新たな財源創設の検討を行うほか、住用地域において「世界自然遺産をいかした『かせぐ』地域づくり調査」を実施いたします。

また、オープン以来、島内外から多くの皆様にご利用いただいている「奄美大島世界遺産センター」につきましては、遺産の価値を伝える総合拠点として、関係機関と連携した運営に努めてまいります。

(4)安全な地域づくりの推進

安全な地域づくりの推進につきましては、防災訓練や出前講座をとおして、自主防災組織を中心とした市民の防災・減災力向上を促進するとともに、海抜表示板の更新のほか、広報紙やSNSを活用した災害関連情報の発信に取組んでまいります。

また、防災・減災のための治水事業の推進や、集会施設の改修による避難所機能の向上を図ってまいります。

消防・救急体制につきましては、消防団車両の計画的な更新を進めるなど、非常時対応力を確保してまいります。

防犯対策につきましては、警察などの関係機関との連携や地域防犯体制の強化を推進してまいります。

交通安全対策につきましては、交通安全教育や交通事故被害者支援などに取組むほか、「交通安全施設整備事業」による区画線整備・カーブミラーの更新などを実施してまいります。

第4点目は、「地域の中で教え、学ぶ教育・文化のまちづくり」の実現についてであります。

本市の教育基本方針「地域に根ざしたふるさと教育~あまみの子どもたちを光に~」のもと、地域の宝で未来を担う子どもたちが、変化の激しい社会で生涯にわたり「健やかに生き抜く力」を育む教育を推進してまいります。

また、総合教育会議の開催により、地域の教育の課題やあるべき姿を共有し、より一層地域に開かれた教育行政の推進を図ってまいります。

タブレット端末を活用した授業が進められる中、教室での学びの環境も時代に応じた整備が求められているものと存じます。そのため、新年度からの2年間で、市内全小中学校のすべての机・椅子を更新し、学習環境の向上を図ります。

70年の節目を迎える日本復帰運動の教育充実につきましては、教職員への研修の実施やデジタル教材の作成、市内小中学校において日本復帰に関しての歌や詩の朗読、演劇発表などに取組むことで、次世代への継承に努めてまいります。

(1)学校教育の充実

学力向上につきましては、「学力向上対策・授業改善5つの方策」による授業の充実と、「家庭学習60・90運動」をとおして、家庭学習の充実を促進してまいります。

また、GIGAスクール構想に基づき、新たに導入したデジタルドリルを活用し、児童生徒の実態に応じた個別最適な学びの充実を図ってまいります。

併せて、外国語学習におけるALTの積極的な活用や特別支援教育支援員の配置によるきめ細かな支援体制の構築を進めてまいります。

さらに、「奄美市小規模校入学特別認可制度」や「奄美くろうさぎ留学事業」により、小規模校の児童生徒確保及び教育の充実にも努めてまいります。

一人ひとりの心に寄り添った生徒指導・支援の向上につきましては、奄美市生徒指導審議委員会での助言もいただきながら、各学校における「生徒指導ハンドブック」や「第三者調査報告書」に基づく取組を促進してまいります。

情操教育の推進につきましては、「ともに親しむ読書運動」や「島唄・島口・美(きょ)ら島(じま)運動」のほか、新年度からは、学校の緑化に地域ボランティアの皆様にご参加いただく「地域とともに花いっぱい活動」をとおして、子どもたちの「豊かな心」や「郷土を愛する心」を育ててまいります。

(2)生涯学習の推進/文化の振興

本年7月に開催される「第47回全国高校総合文化祭(2023かごしま総文)」につきましては、郷土芸能部門開催地として関係機関と連携し、大会成功に向け取組んでまいります。

自然・歴史・文化などの郷土学の推進につきましては、奄美博物館企画展・体験会などの開催により、市民の皆様に親しんでいただくとともに、小中高校生を対象とする学芸員による出前授業の充実を図ってまいります。

(3)スポーツ・レクリエーション活動の振興

本年10月に開催されるかごしま国体につきましては、各種PR事業をとおして市民の皆様の機運醸成を促すとともに、相撲競技会開催地として関係機関・団体と連携を深め、多くの皆様の心に残るかごしま国体となるよう努めてまいります。

市民の皆様がスポーツに親しむ環境づくりに取組むとともに、小中高校生のスポーツ・文化活動の支援のため、全国大会などへの大会出場助成を引き続き実施してまいります。

スポーツキャンプにつきましては、関係機関・団体との連携強化を図るとともに、奄美の豊かな自然環境や温暖な気候を活かした独自の取組のほか、新たな競技誘致、大会開催を推進します。

第5点目は、「魅力ある地域づくりに向けて」についてであります。

本市は、豊かな自然環境や多様な文化、「人のやさしさ、温かさ」という最高の宝を有しており、これらの魅力を活かした課題解決の全国的なモデル都市となるべく、様々な知恵とノウハウを結集した地域づくりを推進してまいります。

また、社会全体におけるデジタル化が進む中、高齢者を対象としたスマートフォン教室の開催などをとおして、その恩恵を幅広く行き渡らせる「みんなにやさしいデジタル都市 奄美市」の構築に努めてまいります。

(1)市民協働の推進/定住の促進/国際交流・地域間交流の推進

市民協働の推進において最も重要なことは、「対話と連携」であると存じます。そのため、「市民と市長のふれあい対話」をより多く開催し、市民の皆様の声を政策立案に活かす、広聴体制の充実に努めてまいります。

多様性やジェンダー平等の視点を持った、包摂的な社会づくりが求められている中、本市においても男性職員の育休取得や女性職員の管理職登用に率先して取組んでまいります。

また、新年度から市内全小中学校のトイレに生理用品を設置し、ジェンダー平等の意識醸成に向けた子どもたちへの啓発を行ってまいります。

移住・定住の促進につきましては、U・Iターン者への「住宅購入費・リフォーム助成制度」について、より多くの方が活用できる支援のあり方への見直しを図りながら、集落の皆様との協働体制の構築を強化してまいります。

国際交流・地域間交流の推進につきましては、姉妹都市であるナカドウチェス市との交流再開に向けた取組を進めるほか、長野県小川村や群馬県みなかみ町との交流につきましても、市内全域から希望する子どもが参加できるよう、交流の範囲を拡大いたします。

(2)計画的・効率的な行財政運営

デジタル技術を活用した行政の効率化及び利便性の向上につきましては、新年度には、WEB上で市税や国民健康保険税、給食費などの口座振替手続きを行うことができる環境を整備するほか、市民交流センターや名瀬総合運動公園体育館などにおいて、WEB予約システムを導入してまいります。

また、利活用の場が広がるマイナンバーカードにつきましては、さらなる取得促進を図るとともに、本市行政手続きにおいても、公的個人認証を活用したサービス導入を推進いたします。

ふるさと納税につきましては、全庁的な寄附獲得に向けた取組と担当部署の組織強化を進めることで、地域の魅力発信と返礼品の充実など、自主財源の確保と効果的な活用を図ってまいります。

官民連携の推進につきましては、PPP(官民連携)/PFI(民間資金等活用)の活用を図るため、「奄美市PPPプラットフォーム」を立ち上げたところです。新年度は、住用及び笠利の認定こども園整備について、民間の創意とノウハウを活用する発注手法を導入してまいります。

また、引き続きネーミングライツ制度の取組を進めるほか、「奄美市SDGs推進プラットフォーム」を中心に、本市におけるSDGsの実践を促進してまいります。

併せて、本市において重点的に取組むべき課題において、新年度より防災やデジタルなどを専門とする政策アドバイザーを配置し、外部人材の知見やノウハウを取り入れた、より有効な施策の実施に努めてまいります。

行政人材の確保につきましては、職員採用に係る筆記試験において、全国各地で受験可能なテストセンター方式を導入することにより、受験者の移動及び費用の負担軽減を図ります。

行政情報力の向上につきましては、広報紙やインターネットの活用をはじめ、昨年度から実施している「記者懇談会」を継続し、市政情報をより身近に感じていただけるよう、情報発信を行ってまいります。

(3)広域行政の推進

奄美群島12市町村及び奄美群島広域事務組合においては、各島分科会などをとおして、新しい10年への奄美振興の道筋を示す「奄美群島成長戦略ビジョン2033」をとりまとめてまいりました。その中では、沖縄との連携強化など、重要な政策課題も提示しているところです。

制度的かつ財源的にも、ビジョン実現に重要な位置づけとなる奄振法延長・拡充に向けて、いよいよ勝負の一年となる新年度。奄美群島12市町村一丸となって全力で取組んでまいります。

むすびに

令和5年度の市政運営における基本姿勢及び予算編成を申し述べさせていただきました。

ある日、夏空を見上げると、そこに吉兆の前触れと言われる彩雲(さいうん)を見つけました。新型コロナ対策など山積する課題に真正面から取組む中、背中を押されたような晴れ晴れしい気持ちになるとともに、ある詩の一節を思い出しました。

「私は 島を愛する」

奄美群島の日本復帰運動をけん引した泉芳朗先生の作品「島」は、この一節から始まります。この思いを共有したのは、二十余万の群島民のみならず、本土の多くの同胞であったと思います。全ての関係者の情熱と団結が、世界的にも類をみない無血民族運動となり、奄美群島は日本に復帰いたしました。

今日を生きる私たちは、日本復帰70周年という節目にあたり、先人たちが成し遂げた偉業と本市発展の歴史を、点では無く線として、次世代に継承していく責務を担っています。

その上で、私は、令和5年度に掛ける漢字として「掴(つかむ)」を挙げさせていただきました。国内においては、この1年がコロナ禍からの脱却の糸口を掴む1年となることを祈ってやみません。

本市においては、世界自然遺産登録という推進力とあわせて、大きな人の流れが生まれるこの一年を、経済回復への好機とすべく、その風を掴むことも求められております。

さらに、市民の声を聞き、支援を求める手をしっかりと掴むことができる、市民に寄り添う市役所としての取組を継続することが、最も重要であります。

そのことで、70年の歴史から「しあわせの島」実現までに繋がる流れを、確かに掴み取ってまいります。

コロナ禍により漂う閉塞感の打破や、様々な課題解決に取組みながら、「挑戦」の姿勢を忘れず、新しい奄美市を皆様とともにつくりあげていくことに、精一杯努力していくことをお誓い申し上げ、私の施政方針とさせていただきます。

施政方針(PDFファイル)

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電話番号:0997-52-1111

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